明治天皇 北陸巡幸での御小休

大徳寺は、明治11(1878)年の明治天皇の北陸巡幸で、
御小休所となりました。

当ページでは、岡村敬二さんが書かれた「北陸への明治天皇巡幸-富山県」から、
この大徳寺御小休所の部分を抜粋して、紹介したいと思います。

午後1 時5 分には住職佐伯徳融の下新川郡経田村持光寺宮ノ上浄土真宗大谷派光道山大徳寺に到着し
た。ここで、嘉永年間に片貝川から手に入れた「一文字石」を鑑賞した。これは、横幅一尺五寸周囲二
尺ほどのもので、表に幅二寸長さ9 寸ほどの一の字が浮き立つ石である。さらに経田村の海中から得た
「アツカサ」河豚の剥製品を天覧した。この奇石には幾度も手を触れられ、また玉座の前庭の老楓も賞
覧された。『明治天皇北陸御巡幸六十周年記念誌』には、「当山は立山の開山佐伯有頼御開基の越中古刹
の一にして、諸国から参拝するものが多い」とされ、「大昔より立山は、加賀白山にくらべ、馬の草履一
足或は扇子一本の丈低いとその高さをあらそひ、登山者が今尚小石をひろいに行く越中人まけず嫌ひの
根元地たる保伏山なる立山祭神の旧蹟に近い」、と説明されている。住職には、菊花御紋章七曜付の木杯
一個、白羽二重一疋下賜された。巡幸後この御座所は出入りを禁じ、御成門、御小休札、一文字石、楓
の木などは大切に愛護し、毎年の夏の虫干しの折りに拝観を許したという。なお大正9 年には慈敬住職
が仙台石の一大標石を建てて、明治天皇祭日には御座所跡の拝観を許したという(持光寺御小休所)。
注記:この大徳寺の「明治天皇持光寺御小休所 附御膳水」は、昭和12 年7月史蹟名勝天然紀念物保存法により、い
わゆる「聖蹟」として史蹟に指定されている(『史蹟名勝天然紀念物保存協会報告書』第14 集 第9 号 史蹟名勝天然
紀念物保存協会編刊 昭和14 年9 月)。ただ戦後昭和23 年の『官報 6435 号』「文部省告示第六十四号」(昭和23(1948)
年6 月29 日付)により「聖蹟」は指定解除されており、この大徳寺の御小休所も指定解除となった

この「北陸への明治天皇巡幸-富山県」の全文は、岡村敬二さんのホームページ
内にて閲覧できます。
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